ライオンとぼく

子育てをここ☆ちよーくするコラム

おっきーさんによる「子育てと日々と、ちょっとだけ哲学。」です。
(このコラムは、きらら通信2017年12月号に掲載されました。)

【ライオンとぼく】

我が家には魔の 2 歳児がいる。

ライオンのぬいぐるみが大好きな男児である。

いつ何時もライオンと一緒だ。

出掛けにうっかり忘れた時には大騒ぎである。

お出掛けも、 ご飯も、 ねんねも一緒。

たまにお風呂だよと洗濯機で洗うと、

容赦なく、 ぐるんぐるん回転するライオンを見て悲鳴を上げる。

我が息子にとって、このライオンはもはやぬいぐるみではないのだ。

深い、 深い、 ライオンへの愛。

しかし、 ここ最近少し状況が変わり始めてきた。

お出掛けに 「ライオン、 置いていく!」 と、 それまで握りしめていたライオンを、

いとも簡単に置いていこうとするのだ。 どうしたことか!

成長といえばそうなのかもしれない。

でもライオンにはどことなく悲しそうな表情が漂い、

なんとも切ない。 そこでふと考える。 愛は素晴らしい。

愛は地球を救う (と日テレも言ってる)。

でも、 愛ってなんだろう?ライオンはたてがみをわし掴みしても、

姉とは違って文句を言わず (そりゃそうだ) 優しいから好き? 

彼にとって愛すべき理由があるからなのだろうか。

いやいや、 本当の愛に理由はない? 

でも、 愛に理由がないのなら、愛とはなんて気まぐれなことか!

彼が急にライオンを手放したように瞬きをしている間に

気持ちを変えてしまう自由こそが愛なのだろうか? 

ぐるぐるぐるぐる…世界は回る。

世界はほんとに謎だらけ。 だから日々は素晴らしい。

そして今夜も、 彼は大好きなライオンを抱きながら眠るのだ。